単路は思っているよりも、危険な場所です。

基本的には前方の動きに注意しておくことで危険は回避できることが多いのですが、だからといってよそ見をして良いわけではありません。

また、カーブでの事故は自車だけでなく、周囲にも大きな影響を及ぼします。

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単路の事故パターン

減速や停止した前車に追突

単路でも前車が減速や停止することはよくあります。

例えば、道路脇のレストランやガソリンスタンドに入ろうとするときや、前方が渋滞しているとき、あるいは横断歩道を歩行者などが横断しているときは、減速や停止をします。

そのため、わき見などをし前方への注意が欠けると追突事故につながります。

また、前車の減速や停止に気づいてあわてて進路変更すると、後続車と衝突する事故も起こりやすくなります。

歩行者や自転車等と衝突

歩行者との事故では、特に子供の飛び出しによる事故や高齢者の道路横断による事故がよく発生します。

自転車や二輪車との事故では、左側を走行する自転車や二輪車が急に進路変更して衝突するという事故がよく発生します。

歩行者や自転車の動向に対する注意不足が原因と考えられます。

追越時に衝突

追越時の事故の主なパターンとしては、次のものがあります。

・片側1車線の道路では対向車と正面衝突する。

対向車の速度や対向車との距離の判断を誤まることが原因と考えられます。

・追越しをしようとして進路変更をしたときに後続車と衝突する。

後続車の確認を十分にせずに進路変更することが原因と考えられます。

・二輪車や自転車を追い越すときに車体の後部が接触する。

追越した二輪車や自転車との距離を誤ったり、トラックの車体の長さを忘れて、前方に入るタイミングが早すぎることが原因と考えられます。

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事故防止のポイント

不用意なわき見をしない

単路だからと油断して、走行中に伝票や地図をみたり、携帯電話を使用するなどしてわき見をし、前方への注意を欠くと、前車の減速や停止に気づくのが遅れます。

いつ、どんな事情から前者が減速したり停止するかわかりませんから、常に前方の状況に注意して走行する必要があります。

また、前車の急減速や急停止による追突を防止するために、車間距離をとって走行する必要があります。

また、前車の急減速や急停止による追突を防止するために、車間距離をとって走行することも大切です。

道路脇の子供や高齢者の動きに注意する

子供や高齢者は、車が接近していても道路を横断してくることがありますから、道路脇に子供や高齢者を見かけたときは、その動きによく注意するとともに、横断しそうな気配を感じたときは、万一に備えてスピードを落として走行します。

追越しはできるだけしない

追越しは危険な行為ですから、追越しが禁止されていない道路の場合でも、できるだけ追越しは控えましょう。

特に対向車がいるときは、対向車の速度は速いかもしれない、対向車との距離は短いかもしれないと考えて、追越しはしないようにします。

進路変更するときは後続車を確認する

やむを得ない事情で追越しをしたり、進路変更する場合には、必ず後続車の速度や距離が正確に判断できないということをよく頭に入れておき、後続車が接近しているときは進路変更をしないようにします。

カーブの事故パターン

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センターラインをはみ出して正面衝突

カーブでも正面衝突事故が発生します。

特に右カーブの場合は、センターラインをはみ出して対向車と正面衝突するケースがよく起こります。

それに対して左カーブでは、スピードの出しすぎによりカーブが曲がりきれずに対向車線に飛び出して対向車と衝突するケースが多くなります。

対向車がいない場合はガードレール等に衝突したり、路外に逸脱する事故になります。

横転事故やスリップ事故

カーブでは、曲がる途中に安定性を失って横転したりスリップする事故がよく起こります。

特に横転は、重心の高いトラック特有の事故の一つといえます。

この原因としては、急ハンドルを切る、ハンドル操作とブレーキ操作を同時に行うなどが考えられます。

また、S字カーブの場合には、低速走行の場合でも、ハンドルの切り返しによって横転することがあります。

トレーラの場合には、トラクタ部分とトレーラ部分がくの字に曲がる「ジャックナイフ現象」が怒ることがあります。

事故防止のポイント

カーブの手前ではスピードを落とす

カーブでは遠心力が働きます。

遠心力とは、車が外へ飛びだそうとする力のことで、速度が同じであればカーブの半径が小さいほど、カーブの半径が同じであればスピードが速いほど、車両の重量が重いほど大きくなります。

トラックは車両重量が重いので遠心力は強く働きますから、スピードを出し過ぎているとカーブを安全に曲がることはむずかしくなります。

したがって、カーブの手前でスピードを十分に落とし、カーブを曲がる途中ではできるだけブレーキは踏まずにそのままの速度で走行します。

カーブの途中で急ブレーキをかけたり、急ハンドルを切るとスリップする危険がありますから注意が必要です。

カーブでの錯覚に注意する

右カーブでは、対向車線のほうが広く見えるために、対向車線にはみ出しやすくなります。

一方、左カーブでは自車線のほうが広く見えるため、スピードを出しやすくなり、カーブを曲がり切れずに対向車線にはみ出しやすくなりますから、こうした錯覚に十分注意する必要があります。

また、道幅の狭いカーブでは、大型トラックやトレーラなどは車体の一部が対向車線にはみ出すことがありますから、あまりセンターライン寄りに走行するのは避けたほうがよいでしょう。

単路とカーブ、どちらも危険な場所であるということが、改めて確認できたかと思います。

今後も周囲に注意し、安全運転に努めましょう。

引用参考 道路・車種に応じた運転