11月20日 所沢市で75歳の男性が運転する乗用車が 道路を横断していた歩行者をはね重傷を負わせる事故がありました。

また 同日

久留米市の77歳の女性が運転する軽乗用車が ブレーキとアクセルの踏み間違えによって

病院の玄関の自動ドアを突き破る事故もありました。

ここ最近 連日このような高齢者ドライバーによる交通事故が多発し

テレビやインターネットのニュースで見ない日はない、という位に感じます。

15日には 政府は 相次ぐ高齢者ドライバーによる交通事故の防止対策に取り組む関係閣僚会議を開き

「取りうる対策をそうきゅに講じるなど、この喫緊の課題に一丸となって取り組むよう指示します」と

安倍首相が対応を指示しました。

また、「社会全体で高齢者の生活を支える体制の整備を着実に進めていく」と述べ

認知症の恐れがある高齢者ドライバーに医師の診断を義務付ける等、認知症対策を強化した改正道路交通法が

来年3月の施行とともに円滑に実施されるよう求めました。

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高齢者ドライバー 事故要因

今後 より一層の比率を迎える高齢化社会に

高齢者ドライバーによる交通事故が増え続けるという想像は容易にできます。

同じ道路で 隣りの車線で 後方で 前方でも

高齢者ドライバーが 乗用車を走らせているような時代がすぐそこまで来ています。

まずは高齢者ドライバーの特性を理解しましょう。

誰でも想像ができるのは 高齢者ドライバーの事故要因として考えられるのは一番に〝身体的な衰え”ではないでしょうか。

具体的には3つの老化特性があるそうです。

1.視野

眼球を動かさずに周辺を見渡せる範囲を「視野」といいますが、

通常の成人ですと、上下約130度、左右片目で左右160度、両眼で200度の範囲で視野があると言われています。

65歳を超える高齢者では 緑内障などで 片目で左右60度に狭まってしまう人が多いとのこと。

80代以上の高齢者の9人に1人は緑内障にかかっているというデータもあります。

また、視界には入っていても ぼんやりと見えているだけで意識が集中しない、

視野には入っていても 脳が認識しない、という傾向もあります。

さらには「老人性縮瞳(ろうじんせいしゅくどう)」といって

猫の瞳が夜になると大きくなるように 通常の成人は 暗い場所では、少ない光をできるだけ効率良く取り込めるように瞳孔が開きますが

高齢者になると 暗いところでも瞳孔が開かなくなります。

このため、網膜に到達する光量が低下し、色は全体的に明度・彩度が下がって見えます。

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2.反応動作

運転のみならず 日常生活のあらゆる場面で

外部からの何らかの刺激などに反応して体を動かす、反応動作の繰り返しで行われていることは多くあります。

普段 何気なく 何も考えずに出来ている動作が

ちょっとした怪我や事故で 難しくなったり 痛みを伴ったりすると 非常にストレスを感じますよね。

この普段のあたりまえの反応動作が 加齢による筋力や関節の衰え等の身体的老化、運動神経や平衡感覚の機能の低下などにより

あらゆる動作が鈍くなり、行動が遅くなります。

特に とっさの反応が 老化とともに難しくなってしまいます。

単純な作業であれば、さほどの反応時間はかからないにせよ、

これが複数の作業課題を 同時に行わないとならないという場合になると 反応動作に誤りが生じたり、大幅な時間を要したりしてしまいます。

つまり、 高齢者ドライバーの運転で危険なのは

周囲の状況に対する反応の遅れ、脳から手足に指令が伝わる速度の遅れや、

筋力低下によるアクセル、又はブレーキが十分に機能する踏み込みに達するまでの時間の遅れ等が加わり、

ブレーキが間に合わなくなって 事故に繋がってしまうことが多いのです。

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3.過信

高齢者ドライバーの傾向として

長年の運転経験から 運転能力に関する過信が過剰であることも 問題となっています。

事故を回避する自信がある、という割合は年齢を重ねるごとに増え、

実に75歳以上では53%もの高齢者が「YES!」と回答しています。

交通規則を軽んじて 自分の経験則を重視してしまいがちになる為

高齢者の一時停止違反が非常に多い、というデータもあります。

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高齢者の事故要因について

見て参りましたが いかがでしたか

身近に 高齢者ドライバーがいらっしゃる場合

すぐ横で 高齢者ドライバーの運転している車が走行している場合に

思い出してもらえれば さらなる安全運転に繋がるのではないでしょうか

引用参考:高齢者の運転