トラックで走行する際、ブレーキやエンジンの扱い方が非常に重要です。

適切に使用することができれば、エコドライブにも安全運転にも繋がります。

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経済速度の厳守

経済速度とは、円滑な交通流を乱すことなくできるだけ低いエンジン回転数で効率良く走れるスピードのことをいいます。

たとえば、周囲の交通状況などから経済速度が50km/hというとき、あえて60km/h に速度を上げた例でみますと、燃料消費量は約10%も多くなってしまいます。

経済速度で効率的な運転を心掛けるようにしましょう。

高速道路などでも、必ず制限速度を厳守するようにしましょう。

予知運転による停止・発進(ストップアンドゴー)

回数の抑制

停止した車両が、再度発進するときに加速しますが、加速するときには、登り坂を走行するときと同じくらい多くの燃料を消費します。

この停止・発進(ストップアンドゴー)の回数を減らす運転をすることがエコドライブにつながります。

例えば、交差点の手前ではまわりの交通の流れを良く見て走行しますが、前方の信号が赤でも、エンジンブレーキを使用してタイミングよく調整することで信号が青に変わることがあります。

これにより交差点を停止せずに通過ができることになり、その分わずらわしい停止・発進の回数が減ることになります。

信号や交通状況の変化など先を見越した運転(予知運転)を実践して、できるだけ停止・発進(ストップアンドゴー)回数そのものが減る運転に心掛けるようにしましょう。

無駄な空ぶかしの抑制

トラックは 1 回の空ぶかしで、次のように燃料を無駄づかいしています。

・大型車:10 〜 12cc

・中型車:5 〜 7cc

・小型車:3 〜 5cc

例えば、燃料1ℓの消費で大型トラックが約3km 走行(1cc で3m 走行)できると仮に、大型トラックが1回空ぶかしをすると、30〜36m走行できる燃料を無駄にしていることになります。

空ぶかしは、ドライバー個々人のクセとも言われますので、日常的に管理者が空ぶかしをしないよう、注意を繰り返すことが大切です。

必要最小限のアイドリング

荷物の積卸しや休憩時間などにエンジンをかけたまま車両を放置しておくと、燃料を無駄に消費するばかりでなく NOx や PM などの大気汚染物質をより多く排出することになります。

こうした無駄なアイドリングを止めることが社会的な要請になっています。

特に、市街地におけるアイドリングは近隣住民に騒音、臭気、振動などの公害を招き、トラック協会などにも近隣住民の方々からの苦情が多く寄せられています。

こうした市街地におけるアイドリングストップはさらに徹底する必要があります。

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・アイドリングは、常に必要最小限になるよう心掛けましょう。

・サービスエリア、パーキングエリアでのアイドリングは、騒音、臭気などで社会問題となっており、必要最小限のものとしなければなりません。

・住居等が隣接しているような場所では、アイドリングストップだけでなく、騒音や駐車マナーなど地域環境への配慮も心掛けましょう。

・荷物の積卸し、集配待ち、休憩などでは、確実にエンジンをストップさせます。

なお、車を離れる際も、必ずエンジンがストップするようエンジンに腰ひも(キー抜きロープ)を付けるなどの対策を講じましょう。

・暖気運転は、必要最低限の時間に抑えましょう。

なお、冬期でも 10 分以下に抑えるようにしましょう。

車両がアイドリング状態(大型車の場合 450 〜 550r.p.m.)にあるときの時間あたりの燃料消費量は、そのエンジン排気量の約10%程度です。

つまり、排気量10ℓのエンジンならば 1 時間アイドリングをすると 1ℓの燃料を消費することになります。

また、その際排出されるガスの量は、次の表のとおりです。

例えば毎日 30 分ずつ、1 年間アイドリング・ストップをした場合

乗用車なら(ガソリン)

約 150 リットル、約 18,000 円

※単価 120 円の場合

CO2 排出削減、約 348kg

大型トラックなら(軽油)

約 300 リットル、約 30,000 円

※単価 100 円の場合

CO2 排出削減、約 786kg

なお、全日本トラック協会及び各都道府県トラック協会では、上記「アイドリングストップ宣言」及び「エコドライブ実施中」のステッカーを貼付してアイドリングストップ運動とエコドライブ運動を実施しています。

アイドリングストップを行うだけで、これだけエコドライブが可能です。

トラックドライバーのひとりとしてエコドライブを行いましょう。

引用参考 エコドライブ推進マニュアル