トラックの点検はドライバーの皆様にとって大切なことですよね。

装置や作業用具などの管理もきちんと行いましょう。

34a1bc0a61413920b936334d3ac65017_s

荷役装置の点検の実施

運行を開始する前に車両に異状がないか確認するだけが日常点検ではありません。

次の装置などについても、作業開始前に点検し、各装置の作動状況、油漏れの有無などを確認するようにしましょう。

異状があれば整備管理者などに報告し、処置をしてもらいましょう。

代表的な荷役装置の点検

・テールゲートリフタの点検。

・ウイング式側面解放装置の点検。

・簡易クレーンの点検。

・コンテナを固定する緊定装置の点検。

備品・携行品、作業用具の確認と点検

備品・携行品、作業用具などが、所定の場所に備えられているか、また用具類については常に使用可能な状態にあるか確認しましょう。

備品・携行品

・自動車検査証、自賠責保険証書、点検整備記録簿。

・非常信号用具、消火器(必要に応じて)、停止表示機材、輪止め。

・タコグラフメーターの記録紙の装填(装着義務づけ車両)。

・その他会社の指定するもの。

作業用具

・荷掛けに使うワイヤロープや繊維ロープのストランドの切断、著しい損傷、腐食の有無。

・ラッシングレール、ラッシングベルトなど各種用具類の異常の有無。

運転室内の整理・整頓

ドライバーは会社を代表する「顔」として荷主や配送先の人と接するので、服装の乱

れや汚れに注意しましょう。

同じように、車両についても外観のみならず、日頃運転する運転室内の整理・整頓を心がけることが、日々気持ちよく仕事をするためには大切なことです。

また、運転室内に、休憩中などに飲んだ飲み物の容器や送り状などが散らかっていると、何かの拍子で運転を妨げ、事故を起こす原因となることもあるので、きちんと片付けておきましょう。

・送り状をフロントガラスの前(フロントパネル)に置かない。

・飲み終わった容器などゴミを床に散らかさない。

・軍手、窓ふき用のタオル、ウエスなどは所定の小物入れに入れる。

作業後の手入れ、清掃などの実施

1日の作業が終わり、帰社して今日の作業結果を責任者に報告すれば終わりというわけではありません。

車両の終業点検を実施し、汚れていれば清掃、洗車することも必要です。

荷主の評価項目の中に、「輸送品質」「ドライバーの対応」と並んで、「車両の手入れ」と答えるケースが多いのを忘れてはいけません。

・運転室内の整理・整頓。

・ウインドガラス、灯火類、ナンバープレートなどの清掃。

事故とその対処

事故が起こってしまうことはたいへん恐ろしいことですが、全国で過去にあった事例を確認し、その事故を起こさない、あるいは巻き込まれないための自衛をしましょう。

771bca92df0b7a2682aaca93580fa59f_s

タイヤの異常摩耗により起こした車両単独事故事例

事故の概要

・時速約60km/h で走行していた。

・水の溜まった道路にそのまま進入したところ、運転操作不能となり、左側の縁石に乗り上げ横転し、沿道の鉄柵に衝突して停止した。

・後輪左右のタイヤ溝の深さが十分になかったことから、タイヤが水を排出する能力が低下し、ハイドロプレーニング現象※をおこしたと考えられる。※雨の日に高速走行をしたとき、タイヤが路面の水を排除できず路面から浮き上がり、水の上を滑るようになる現象をいう。

事故を起こした車両

バン型中型トラック

この事故を教訓とした注意点

・タイヤが摩耗し、水を排出する能力が低下したり、空気圧不足でタイヤを路面に押しつける圧力が低くなると、ハイドロプレーニング現象が起きやすいのです。

・事故を未然に防止するためには、日常点検(タイヤの点検)を励行することが大切です。

フロントガラスの凍結による視界不良が起こした追突事故事例

事故の概要

・冬季、運行する前にフロントガラスが凍結していたことから、ウインド・ウォッシャ液を利用し、ワイパーを作動させて溶かそうとしたが、液量が不足しており、十分に前方視界が得られなかった。

・通り慣れた道路であり、深夜で交通量が少なく、部分的に視界が得られたため、身を乗り出すような姿勢で運転をしていた。

・前方に停止車両を発見したが間に合わず追突した。

事故を起こした車両

バン型中型トラック

この事故を教訓とした注意点

・ウインド・ウォッシャ液が不十分なときは、ウエスなどで凍結部分をふきとり、ワイパーが払拭する範囲について視界を確保しましょう。

・適切な時期に、日常点検(ウインド・ウォッシャの液量)を実施しましょう。

排気ブレーキ不良による脇見運転が起こした追突事故事例

事故の概要

・片側2車線の追越車線を走行中、排気ブレーキの効きが悪いことが気になり、インパネの警告灯が点灯していないかどうかを確認していた。

・視線を前方に戻すと、右折するため停止していた車両を発見したが、間に合わずに追突した。

事故を起こした車両

小型ダンプ車

この事故を教訓とした注意点

・走行中車両に異常が生じた場合は、直ちに安全な場所を選んで停止し、車両を点検するなどの心構えが大切です。

安全運転がどれほど重要なのかがわかりますよね。

トラックドライバーとしてしっかりと走行しましょう。

引用参考 トラックドライバーが日常行うべき事項