プロのトラックドライバーの皆さんには[あたりまえ]の用語かもしれませんが、基礎知識として振り返っておきましょう。

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トラック用語

エアサスペンション(エアサス)

車軸の上に装着されていて、トラックの振動を軽減する装置です。

リーフサスペンション(板バネ)に比べて振動を抑制するため、品質向上が図られる他、荷物へのダメージを軽減し、荷傷みや荷崩れの防止につながります。

主に、中型トラックや大型トラックにエアサスが設定されています。

オートマチックトランスミッション(AT)

トラックのミッションはマニュアルトランスミッション(MT)が主流でしたが、最近のトラックにはATも設定されています。

トラックのATは最大で16段におよぶものもあります。

ATはMTに比べて操作が簡単なため、運転者の疲労を軽減し、事故の防止につながります。

また、大型トラックではATの導入により、燃費の向上につながっている例も見受けられます。

ドライブレコーダー(ドラレコ)

車両に急ブレーキや、強い衝撃が加わった前後数十秒間の映像などを記録する装置です。

ドラレコを搭載することにより、事故原因の究明に役立ちます。

また、運転者が事故を起こさないように気をつけるため、事故の未然防止に結びついたり、記録した映像を見ることで、どんな場所に危険が潜んでいるのか、どんな運転が危険なのかといったことを学ぶことができます。

デジタルタコグラフ(デジタコ)

事業用の車両総重量8トン以上のトラックにはタコグラフの装着が義務付けられています。

タコグラフは時間、距離、速度を記録し、運転者がどのような運転を行っているのかを記録する装置です。

デジタルタコグラフは文字通りデジタル式のタコグラフで、より詳細な運行データを記録することができます。

装着の義務付けのない中小型トラックなどにも装着が普及しています。

トラックに関する覚書

トラックの寿命

トラックの平均車齢は年々伸びており2010年では普通車10.34年、小型車9.21年になっています。

平均車齢とは初めて登録してからの経過年の平均で、人間の平均年齢と同じことです。

また、平均使用年数は2010年では普通車14.87年、小型車11.92年になっています。

平均使用年数とは新規登録してから抹消登録するまでの平均年数で、人間の平均寿命と同じことです。

燃費基準

地球温暖化防止のため、新しく作られたトラックには燃費の基準が設けられています。

現在走行しているトラックの燃費の目安は次のとおりです。

トラックの種類    燃費の目安(km/L)

小型トラック       4.5~6.5

中型トラック       4~5

大型トラック       3~3.5

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大きな荷物と法律

大きな荷物を運ぶ場合

公共性の高い新幹線、橋、ダムの発電機や風力発電の羽、人工衛星のロケットなどやビルの鉄骨などを運ぶ場合に、大きさを小さくしたり分割したり重量を軽くしたりすることで、強度や精度が保てなくなるものがあります。

また分割することで工事期間が長くなったり何度も運ばなければならなかったりなど、社会基盤整備の遅れや経済性を低下することにもなります。

このため、そのように重量や大きさが一般的な制限を超えて運ぶことが公共性に有益であると認められる場合に限っては、国や都道府県市町村の道路管理者に申請し許可(認定)を受けて運ぶことができます。

道路管理者は申請された内容が道路や橋などに影響がなく安全に通行できると判断した場合には、申請者に許可証(認定書)を発行します。

なお、このほか運ぶ際に周囲の人や車両が安全に通行できるため、警察の制限外許可(道路交通法)の申請と許可も必要とする場合もあります。

通行許可を受けなければならない車両

道路の構造を保全し、または交通の危険を防止するため、道路を通行する車両の大きさや重さが制限されています。

特殊車両の種類

一般的制限値を超えて通行許可を受け、道路を走行する特殊車両には主に次のようなものがあります。

バン型

自動車運搬型

あおり型

コンテナ型

タンク型

幌枠型

スタンション型

船底型

重量物運搬用セミトレーラ

大きな荷物を運ぶ際はとくに制限がかけられています。

きちんと法律を遵守し、安全運転を行いましょう。

引用参考 トラック早分かり